CBGの副作用は?報告された症状と臨床試験でわかった安全性を研究データで解説
「CBGに副作用はないんですか」。購入前にこう尋ねられることがあります。答えにくい質問です。「ありません」と言い切りたいところですが、それは事実と違います。
CBG(カンナビゲロール)は、大麻草に含まれる100種類以上のカンナビノイドの一つです。CBD(カンナビジオール/cannabidiol)やTHC(テトラヒドロカンナビノール)と比べると知名度は高くありませんが、他のカンナビノイドがCBGを起点に生成されることから「母なるカンナビノイド」とも呼ばれています。日本国内でもオイルやリキッドが流通し始め、効果への期待が集まる一方で、副作用の可能性はないのかという疑問を持つ方が増えています。さまざまな情報が出回るなかで、基本的な事実を先に確認しておきたいという関心が高まっている状況です。
先に結論を書きます。CBGに特有の重篤な副作用は、現時点では報告されていません。ただしそれは「安全性が証明された」という意味ではありません。ヒトを対象にした研究そのものが、まだ数えるほどしかないというだけの話です。ここを混同した内容の説明が本当に多いので、この記事では分かっていることと分かっていないことを線引きしながら書きます。
扱っている成分の弱点を書くことになりますが、判断材料が足りないまま買っていただくよりはいいと考えています。作用の仕組み、製品に含まれる他の成分の影響、医薬品との相互作用、日本における法的な位置づけまで順に解説します。
目次
CBGはカンナビノイドの中でどんな位置づけ?

CBGは全てのカンナビノイドの出発点となる成分です。副作用を考える前に、CBGがどのような成分なのかを詳しく確認しておくと、なぜCBGに強い副作用が想定されにくいのかが理解しやすくなります。
すべてのカンナビノイドの出発点となる成分

大麻草にはテルペンやフラボノイドなど500種類を超える化合物が含まれており、そのうち100種類以上がカンナビノイドに分類されます。代表的な物質がCBDで、大麻取締法改正前までは茎や種子を含む部位から抽出された原料が製品化に用いられてきました(改正後はTHCの残留値に焦点が当てられ、部位規制は撤廃)。植物の中では、まずCBGA(カンナビゲロール酸)という酸性の前駆体が生成されます。このCBGAが植物内の酵素の働きによってTHCA、CBDA、CBCAなどに変換され、それぞれが加熱や時間の経過によってTHC、CBD、CBCへと変化していきます。
つまりCBGAは、他の主要なカンナビノイドが生まれる出発点にあたります。この関係から、CBGは「母なるカンナビノイド」「幹細胞カンナビノイド」と呼ばれることがあります。成熟した大麻草ではCBGAの大部分が他の成分へ変換されてしまうため、収穫時点で残っているCBGの量はごくわずかです。一般的な品種では乾燥重量の1%未満とされ、CBDやTHCと比べて希少な成分に位置づけられています。
ただし「1%未満」は一般的なヘンプでの話です。近年はCBGを多く残すよう育種された専用品種があり、7〜11%程度まで確認されている報告もあります。国内で流通しているCBGアイソレートの多くは、こうしたCBG含有量の高いヘンプから抽出・分離し、再結晶化によって純度99%以上まで精製したものです。CBDを化学変換して作られているわけではありません。製品の種類としては、オイル、リキッド、グミなどの形態が流通しています。
精神作用がないという点でCBDに近い

副作用を考えるうえで最も重要なのが、CBGに精神作用がないという性質です。THCが「ハイになる」と表現される強い精神作用を持つのは、脳内に多く存在するCB1受容体に強く結合するためです。一方CBGは、CB1受容体への結合力が非常に弱いことが分かっています。
この構造上の違いによって、CBGはTHCのような陶酔感や認知機能への強い影響をもたらしません。この点ではCBDに似た性質を持つ成分だと言えます。身体がどう反応するか、どのような状態の変化を感じるかは人によって違うものの、意識が大きく変容するような作用は想定されていません。実際に、CBGを摂取しても「意識がはっきりしている」「日中でも使える」という感想が多く聞かれるのは、この作用機序の違いによるものです。
CBGがキマる成分なのかどうか、体感の実態については「CBGはキマるのか?体感と効果を徹底解説」で詳しく扱っています。あわせてご覧ください。
CBGの副作用は報告されている?

結論から述べると、副作用を調べるだけの研究がまだ十分に行われていないという状態です。ここでは具体的にCBGの副作用について、現在の研究で何が分かっているのかを整理します。
ヒトを対象とした臨床研究はまだ極めて少ない

まず前提として押さえておくべきなのは、CBG単体を対象としたヒトでの臨床試験がほとんど行われていないという事実です。CBDについては、難治性てんかんの治療薬エピディオレックスの承認過程で大規模な臨床試験が実施され、肝機能への影響や眠気といった副作用が定量的に把握されています。しかしCBGについては、同等の規模のデータが存在しません。
現在CBGについて分かっていることの多くは、細胞を使った実験や動物実験の結果です。抗菌作用に関するAppendinoらの2008年の研究、炎症性腸疾患モデルを用いたBorrelliらの2013年の研究、ハンチントン病モデルでの神経保護作用を調べたValdeolivasらの2015年の研究などが知られていますが、いずれもヒトでの有効性と安全性を直接示すものではありません。
ただし2024年になって、CBGを対象とした本格的なヒト試験が一つ報告されました。Medical Cannabis and Cannabinoids誌に掲載された、睡眠に問題を抱える退役軍人63名(CBG群33名・プラセボ群30名)を対象とした三重盲検・ランダム化・プラセボ対照試験です。最初の2週間は1日25mg、続く2週間は1日50mgを1日1回、合計4週間投与するという設計でした。
安全性の面では、CBG群で報告された関連の可能性がある有害事象は5件(頭痛、だるさ、胃部不快感、吐き気、過眠が各1件)で、いずれも軽度、重篤な有害事象はゼロでした。25mgから50mgという用量範囲では良好に忍容された、という評価です。
サンプル数が63名と小さく、投与期間も4週間に限られるため、これで安全性が確立したとは言えません。それでも、CBGについて用量と期間が明示されたヒトの安全性データが出てきたことには意味があります。少なくとも「一切データがない」段階は抜けました。
そのうえで、「CBGに副作用の報告がない」という表現は、正確には「副作用を調べるだけの研究がまだ十分に行われていない」と理解するのが適切です。安全性が確認された、という意味ではありません。
利用者を対象とした調査で報告された症状

CBGの安全性について参考になるデータのひとつが、Russoらが2022年に Cannabis and Cannabinoid Research 誌で報告した利用者調査です。米国在住の21歳以上で、過去6か月以内にCBGを50%超含む製品を使用した127名が、オンラインのアンケートに回答しています。
この調査で報告された体調の変化は、口の渇きが16.5%、眠気が15%、食欲の増加が11.8%、目の乾きが8.7%でした。一方で44%は特に変化はなかったと回答しており、重い有害事象の報告はありません。使用をやめた際の症状についても、84.3%が特になかったと答えています(最も多く挙がったのは睡眠に関するものですが、回答者は2名です)。
口の渇き・眠気・食欲の増加・目の乾きという4つは、他の資料でも繰り返し登場する顔ぶれです。CBGで起こりうる体調の変化は、おおむねこの範囲と考えてよさそうです。
ただしこの調査には限界があります。オンラインでの自己申告によるもので、プラセボ対照試験のような厳密な設計ではありません。回答者が使用していた製品にはCBG以外の成分も含まれている可能性があり、報告された内容がCBG単独によるものと断定はできません。また回答者は米国在住者であり、日本国内で流通する製品とは組成が異なります。あくまで参考データとして読む必要があります。
CBGとCBDの副作用を比較する

CBGの副作用を考えるうえで、最も参考になる比較対象がCBDです。CBDは同じ大麻草由来の非精神活性カンナビノイドでありながら、研究の蓄積量がCBGとは大きく異なります。
CBDについては、難治性てんかんの治療薬として承認される過程で大規模な臨床試験が実施されました。その結果、傾眠、食欲の低下、下痢、疲労感、肝酵素の上昇といった副作用が具体的な発現率とともに把握されています。医薬品として使われる高用量でのデータであり、市販のCBDオイルの一般的な摂取量とは条件が異なりますが、少なくとも「何が起こりうるか」は明らかになっています。
一方のCBGには、これに相当するデータがありません。痛みや不安への作用を調べた研究は存在するものの、いずれも動物実験か小規模な調査にとどまります。海外の研究でも同様の状況です。
両者の特徴を整理すると次のようになります。
| 項目 | CBG | CBD |
| 精神作用 | なし(CB1受容体への結合が弱い) | なし(CB1受容体への結合が弱い) |
| ヒトでの臨床試験 | ほとんど行われていない | 医薬品承認のため大規模に実施 |
| 報告されている症状 | 口の渇き、眠気、食欲増加、目の乾き | 傾眠、食欲低下、下痢、疲労感、肝酵素上昇 |
| 食欲への作用 | 増進する方向(動物実験) | 抑制する方向とされる |
| 医薬品との相互作用 | データ不足で予測が難しい | CYP450への影響が判明している |
なおCBDについては、世界保健機関(WHO)が依存性や乱用の可能性は認められないとする見解を示しており、1日1,500mgという高用量でも忍容されたとする報告があります。市販製品の一般的な摂取量が1日10mgから30mg程度であることを考えると、桁が二つ違う量です。CBDの安全域が広いと言われるのは、こうした数値が根拠になっています。
この表から言えるのは、「CBGのほうがCBDより副作用が少ない」わけではないということです。CBDは調べられた結果として副作用が判明しており、CBGは調べられていないから報告がない。この非対称性を踏まえるのが適切な読み方です。売る側としては前者のように書きたくなるのですが、それは読者に対して不誠実だと思います。
海外での研究状況

CBGの薬理作用については、日本臨床カンナビノイド学会もNachnaniらの総説「カンナビゲロール(CBG)の薬理学的症例」の日本語訳を紹介しており、神経疾患(ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症)や炎症性腸疾患への可能性と抗菌活性が示されているとしています。ただしこれらはいずれも治療効果が確立したという話ではなく、研究上の可能性の段階です。
カンナビゲロールの研究は、当然日本より海外のほうが先行しています。米国や欧州の研究機関では、痛みの軽減や緩和、症状の改善、神経の保護、抗炎症といった領域でCBGの有効性を調べる実験が続けられており、動物への投与に基づくいくつかの報告で一定の結果が得られたとされています。
ただし、これらはいずれも動物を対象とした投与実験です。動物で効くという結果が出ても、人間で同じように作用するとは限りません。ある成分が動物で有効だったという結果は、ヒトでの有効性と安全性をそのまま保証するものではありません。投与量、投与期間、代謝の仕組みが人間とは異なるためです。CBDが医薬品として承認されるまでに大規模な臨床試験を要したことを踏まえれば、CBGについて同等の結論を出すにはまだ時間がかかります。
また、海外で流通しているCBG製品は日本とは規制の枠組みが異なります。海外の利用者の体験談をそのまま日本の製品に当てはめて考えることはできない点にも注意が必要です。
CBGで起こりうる体調の変化と理由とは?

報告されている症状は口渇・眠気・食欲の変化・血圧の上昇です。これらについて、なぜそれが起こるのかを作用の仕組みから見ていきます。理由が分かると、自分の体調や生活リズムと照らして判断しやすくなります。
口の渇き

カンナビノイド全般で比較的よく報告される症状です。唾液腺にはカンナビノイド受容体が分布しており、ここに作用することで唾液の分泌量が一時的に減ると考えられています。THCで顕著に見られる現象ですが、CBGでも同様の報告があります。
水分をとることで簡単に対処できる範囲の症状であり、健康上の問題につながるものではありません。こまめな水分補給を意識することがポイントです。ただし口の渇きが続くと口腔内の環境が悪化しやすくなるため、長時間続く場合は使用を控えて様子を見る判断も必要です。
眠気・倦怠感

CBGはリラックス方向に働くとされる一方で、人によっては眠気として現れることがあります。特に日中に使用した場合、集中力の低下や倦怠感として自覚されることがあります。
CBGはリラックスを目的として使われることが多く、睡眠との関係を尋ねられることもありますが、CBNのように睡眠へのはたらきかけが中心の成分ではないため、眠気が強く出るケースは限定的とされています。CBDと同様、日中の使用を想定して設計された製品も少なくありません。ただし体質や体調、他の成分との組み合わせによって現れ方は変わります。自動車の運転や機械の操作を伴う予定がある場合は、事前に自分の反応を把握しておくことが重要です。
なお、鎮静作用の強いカンナビノイドとの違いについては「CBGとCBNの違いとは?効果・作用・選び方を比較」で整理しています。
食欲の変化

動物実験では、CBGを投与したラットで摂食量の増加が観察されています。Brierleyらの2016年の研究では、CBGが食欲を刺激する可能性が示されました。食欲を抑制する方向に働くとされるCBDとは対照的な性質です。
食欲の増進は、食事の量が減っている人にとっては望ましい変化になり得ますが、体重管理をしている人にとっては意図しない影響となります。CBDが食欲の減少方向に働くとされるのとは逆の性質です。どちらに働くかは目的次第であり、一律に副作用と呼べるものではありません。
血圧の変動

CBGはα2アドレナリン受容体に作用することが報告されています。この受容体は血圧の調節に関わっており、理論上は血圧に影響を及ぼす可能性があります。ただしヒトで血圧の有意な変動が確認された報告は現時点で見当たりません。
低血圧の傾向がある人や、血圧の薬を服用している人は、念のため医師に相談したうえで判断することをおすすめします。立ちくらみやふらつきを感じた場合は使用を中止してください。
CBGの安全性は?作用の仕組みを確認

CBGはCB1受容体への結合が弱いため、強い副作用が想定されにくいと言えます。
CB1受容体への結合が弱い

人間の体には、エンドカンナビノイドシステム(ECS)と呼ばれる調節機構が備わっています。ECSは気分、食欲、睡眠、免疫、痛みの感じ方など幅広い生理機能に関わっており、CB1受容体とCB2受容体が中心的な役割を担っています。
CB1受容体は主に脳や中枢神経系に分布しており、THCがここに強く結合することで、いわゆる「ハイ」と呼ばれる精神作用が生じます。CBGはこのCB1受容体への結合力が弱く、むしろTHCの作用を部分的に抑える方向に働く可能性も指摘されています。精神作用に由来する副作用が想定されにくいのは、この性質によるものです。
CB1・CB2以外の経路でも働く

CBGの特徴は、カンナビノイド受容体以外の経路にも作用する点にあります。前述のα2アドレナリン受容体のほか、セロトニン5-HT1A受容体への作用、TRPチャネルへの作用、PPARγへの作用などが報告されています。
複数の経路に同時に働きかけるという性質は、期待される効果の幅広さにつながる一方で、体質による反応の差が出やすい要因にもなります。同じ製品を同じ量だけ摂取しても、感じ方が人によって大きく異なるのはこのためです。
受容体ごとの作用の詳細については「CBGの効果とは?作用の仕組みと商品タイプ別の違い」で解説しています。
摂取方法による副作用の出方とは?

同じCBG製品でも、どの経路から体内に取り込むかによって成分の吸収の仕方が変わります。副作用の出方に差が生まれるのは、この違いによるところが大きいと考えられます。
吸入摂取(リキッド・ベイプ)

気化させた成分を肺から吸収する方法です。肺の毛細血管から直接血流に入るため、摂取後5分から10分程度で体感が現れるとされています。効果の立ち上がりが早い分、自分に合わない量を摂取してしまった場合も自覚が早く、そこで中断できるという特徴があります。
一方で、加熱を伴う摂取方法であるため、喉への刺激や咳といった症状が出ることがあります。これは成分そのものの作用ではなく、蒸気や希釈剤が喉の粘膜に触れることで生じる物理的な刺激にあたります。CBDリキッドでも同様に報告される現象で、成分の副作用とは切り分けて考える必要があります。
経口摂取(オイル・グミ・カプセル)

CBGオイルを舌下に垂らす方法や、グミやカプセルとして飲み込む方法です。舌下からの吸収は飲み込む場合より効率が高いとされ、摂取量を細かく調整しやすいという特徴を持っています。飲み込んだ場合は消化管を経て肝臓で代謝されるため、体感が現れるまでに30分から2時間程度かかります。
この時間差が、経口摂取で注意すべき点につながります。効果を感じないからと追加で摂取してしまい、後から作用が重なって想定以上の量を摂ることになるケースです。カンナビノイド全般で古くから指摘されてきた失敗の型です。オイルを舌下に留めて粘膜から吸収させる方法は、飲み込む場合より早く作用が現れるとされています。
摂取方法ごとに何分で作用が現れ、どのくらい続くのかは「CBGの効果が出るまでの時間は?吸入・舌下・経口別の目安と持続時間を解説」で整理しています。副作用が現れるタイミングも、基本的にはこの時間に沿います。
経皮摂取(バーム・クリーム)

皮膚に塗布する方法です。皮膚にもカンナビノイド受容体が分布していることが分かっており、スキンケア用途を含む局所的な作用が期待されています。この経路は、全身に成分を巡らせるのではなく特定の部位のケアを目的とした使い方に向いています。血中への移行量は他の経路と比べて少ないため、全身性の副作用は生じにくいと考えられます。ただし肌に合わない場合の刺激やかぶれが起こる可能性はあり、これは配合されている基剤によるところが大きい症状です。
経皮については、CBGの安全性を正面から評価した研究があります。CBDとCBGのスキンケア応用における安全性プロファイルを検討した報告(International Journal of Molecular Sciences)では、細胞毒性、変異原性、皮膚感作性、一次刺激性、累積刺激性、光毒性、光感作性の7項目について、いずれも低リスクとする結果が示されています。CBGに関する安全性の研究としては、現時点で最も網羅的なものの一つです。
とはいえ、これは成分そのものの評価です。実際の製品では基剤や香料が一緒に入っているため、肌に合うかどうかは製品ごとに変わります。初めて使う製品は、目立たない場所で試してから広い範囲に使ってください。
他の成分・医薬品との相互作用で注意が必要なケース

CBG単体の副作用とは別に、他の成分と一緒に体内に入ったときの影響を考える必要があります。実際にはこちらのほうが注意すべき論点です。
肝臓の代謝酵素を介した相互作用

多くの医薬品は、肝臓のシトクロムP450(CYP450)という酵素群によって代謝されます。CBDについては、この酵素の一部の働きを阻害することが分かっており、併用した医薬品の血中濃度が想定より高くなる可能性が指摘されています。
CBGについても同様の相互作用が起こる可能性はありますが、CBDほど詳しく調べられていません。服用中の薬がある場合、その薬の効きすぎや効果不足につながるおそれがあるため、自己判断は避けるべきです。データが不足しているということは、安全だという意味ではなく、予測が難しいという意味です。特に以下に当てはまる方は、使用前に必ず医師または薬剤師に相談してください。医師に伝える際は、製品名だけでなく成分表示も一緒に示すと判断が正確になります。
- 抗てんかん薬、抗凝固薬、免疫抑制剤を服用している
- 睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬を服用している
- 血圧や血糖値の薬を服用している
- 肝機能や腎機能に不安がある
アルコールとの併用

カンナビノイドとアルコールを併用した場合、鎮静方向の作用が重なって眠気が強く出る可能性が指摘されています。CBGについての直接的な研究はありませんが、体感が予測しづらくなるため併用は避けるのが無難です。
妊娠中・授乳中の使用

妊娠中および授乳中のカンナビノイド使用については、安全性を確認する十分なデータがありません。米国FDAはCBDについて妊婦・授乳婦の使用を避けるよう警告しています。CBGも同じカンナビノイドであり、同様に避けるべきと考えるのが適切です。
製品の品質が安全性を大きく左右する

CBGという成分そのもの以上に、実際のリスクを左右するのが製品の品質です。ここは見落とされやすい論点です。
THCの混入という最大のリスク

CBGは大麻草由来の成分であるため、抽出の過程でTHCが微量に混入する可能性があります。日本ではTHCが厳しく規制されており、基準値を超えるTHCを含む製品は違法となります。CBG自体に問題がなくても、混入したTHCによって法的な問題が生じるおそれがあります。
残留限度値は2024年12月の法改正で定められており、リキッドやグミであれば0.0001%(1ppm)以下が条件です。基準を満たしているかどうかは成分分析証明書(CoA)で確認できます。数値の内訳と法改正の経緯は「CBGは規制される?2026年の法的地位とCBN・CBDとの違いについて解説」で扱っています。
残留溶媒と重金属

カンナビノイドを植物から抽出する工程では、化学溶媒が使用されることがあります。精製が不十分だとこれが最終製品に残ります。また、大麻草は土壌の成分を吸い上げやすい性質を持つため、栽培環境によっては重金属や農薬が残留する可能性もあります。
これらはCBGの副作用ではなく、製造品質の問題です。第三者機関による検査結果が公開されている製品を選ぶことで避けられるリスクです。製造している会社が検査結果をどこまで開示しているかを確認しておくと良いでしょう。
配合されている他のカンナビノイド

市販の製品には、CBG単体ではなくCBDや他の成分が一緒に配合されているものが多くあります。体感や副作用は、CBGだけでなく配合されている成分全体によって決まります。「CBG製品を使って眠くなった」という場合、その原因がCBGなのか、同時に配合されている別の成分なのかは、成分表示を見なければ判断できません。
複数のカンナビノイドやテルペンを組み合わせると、単体で使うより作用が強く出るという考え方があります。アントラージュ効果と呼ばれるもので、成分同士のバランスによって体感が変わるとされています。期待される効果の面で語られることが多い概念ですが、副作用を考えるうえでも同じことが言えます。単一の原料では起きにくかった反応が、組み合わせによって現れる可能性があるためです。
初めてCBG製品を使う初心者の場合は、配合されている成分の種類が少ないもののほうが、何が原因で体調が変化したのかを特定しやすくなります。
製品を選ぶ際は、CBGの含有量だけでなく、何を目的として使うのかを先に決めておくと判断しやすくなります。日中の使用が目的なのか、就寝前のリラックスが目的なのかによって、適した成分構成は変わります。オイル、リキッド、グミといった形状別の違いに加えて、配合されているカンナビノイドの種類まで確認することで、想定外の体感を避けやすくなります。
国内で販売されている製品であっても、成分構成はメーカーによって大きく異なります。リキッド製品の成分構成については「CBGリキッドとは?選び方と使い分けを解説」で扱っています。
CBGの日本における法的な位置づけ

副作用と並んで質問が多いのが、法律上の扱いです。2026年9月時点の情報として整理します。
CBG自体は規制対象ではない

2026年9月時点で、CBGは大麻取締法および医薬品医療機器等法(薬機法)のいずれにおいても規制対象成分に指定されていません。つまり成分としては合法です。CBGを含む製品は、THCの残留限度値を満たしている限り、日本国内で適法に流通しています。
ただしこれは「CBGなら何でも問題ない」という意味ではありません。前述のとおり、製品に含まれるTHCが基準値を超えていれば、その製品は違法と判断されます。規制の対象は成分名ではなく製品に含まれるTHCの量である、という点を押さえておく必要があります。
規制は変わりうるという前提

カンナビノイドに関する規制は、近年たびたび見直されています。CBN(カンナビノール)は2026年6月1日に指定薬物となり、現在は選択肢から外れました。指定に至った理由と、その論理がCBGに当てはまるかどうかの検討は「CBGは規制される?2026年の法的地位とCBN・CBDとの違いについて解説」にまとめています。
CBGは現時点で指定薬物ではありませんが、規制の枠組みが変わる可能性は常にあります。CBNのときは、施行日までに該当商品の取り扱いをすべて止めました。最新の情報は厚生労働省の発表を直接確認してください。CBN規制の経緯については「CBN規制最新情報 指定薬物化の理由・患者の手続き・業界の責任まで徹底解説」で詳しく解説しています。
海外製品の個人輸入には注意

海外ではTHCの許容量が日本より大幅に高く設定されている国があります。米国では0.3%以下、欧州では0.2%以下が一般的で、これは日本の基準を大きく上回ります。現地で合法な製品であっても、日本に持ち込めば違法となる場合があります。個人輸入は避けるのが賢明です。
CBGの副作用に関するよくある質問

CBGに依存性はありますか?
CBGに依存性があるという報告は現時点でありません。依存性の形成にはCB1受容体への強い作用が関わるとされていますが、CBGはこの受容体への結合が弱いためです。ただし長期使用に関する研究データが不足しているため、断定はできません。
CBGを摂取すると薬物検査で陽性になりますか?
一般的な薬物検査はTHCの代謝物を検出するもので、CBG自体を検出対象としていません。ただし製品にTHCが微量に含まれている場合、その蓄積によって反応する可能性は理論上あります。また、CBNについては尿検査で偽陽性が出る可能性を示した研究があり、カンナビノイド全般で同種のリスクが完全に否定されているわけではありません。
CBGとCBDを一緒に摂っても問題ありませんか?
CBGとCBDを併用した製品は多く流通しており、両者を組み合わせること自体に特有の危険性が報告されているわけではありません。ただし作用が重なることで体感が強く出る場合があります。初めて併用する際は、体調の変化を確認しながら判断してください。
臨床試験で副作用は出ていますか?
2024年に報告された退役軍人63名を対象としたプラセボ対照試験では、CBG群で報告された関連の可能性がある有害事象は5件(頭痛、だるさ、胃部不快感、吐き気、過眠が各1件)でした。いずれも軽度で、重篤な有害事象はありません。1日25mgから50mgを4週間という条件での結果です。
肌に塗る製品の安全性はどうですか?
CBDとCBGのスキンケア応用における安全性を評価した研究では、細胞毒性、変異原性、皮膚感作性、一次刺激性、累積刺激性、光毒性、光感作性の7項目すべてで低リスクとされています。ただし製品には基剤や香料も含まれるため、初めて使う製品は目立たない場所で試してから広い範囲に使ってください。
体調に異変を感じたらどうすればよいですか?
使用を中止して様子を見てください。強い眠気やふらつきがある場合は、無理に動かず横になって休むことを優先します。症状が長く続く場合や日常生活に支障が出る場合は、医療機関を受診してください。その際、使用した製品の成分表示を持参すると診察の助けになります。
まとめ|CBGの副作用について現時点で言えること

長くなったので、内容の概要を整理します。CBGはリラックスやストレスとの向き合い方をサポートする目的で注目されてきた成分ですが、判断するには効果と同じだけ副作用の知識が大切になります。
CBGに特有の重篤な副作用は、現時点で報告されていません。精神作用の原因となるCB1受容体への結合が弱いため、THCのような強い作用に由来する副作用は想定されにくい成分です。利用者を対象とした調査では、口の渇き、眠気、食欲の増加、目の乾きといった軽度で一過性の症状が報告されています。
2024年には退役軍人63名を対象としたプラセボ対照試験が報告され、1日25mgから50mgを4週間という条件で重篤な有害事象はゼロでした。皮膚への応用についても、細胞毒性から光感作性まで7項目で低リスクとする評価があります。データが出始めたことは前進です。
一方で、ヒトを対象とした臨床研究がまだ極めて少ないという事実も同時に押さえておく必要があります。「副作用の報告がない」ことと「安全性が確認された」ことは同じではありません。長期使用の影響や医薬品との相互作用については、まだ十分なデータがありません。
実際にリスクとして意識すべきなのは、CBGという成分そのものよりも、製品に含まれるTHCや残留溶媒といった品質の問題です。製品を選ぶ際に第三者機関の検査結果が公開されているかどうかを確認することは、CBDオイルなど他のカンナビノイド製品を選ぶ場合と同じく有効な判断材料になります。また、医薬品を服用している方、妊娠中・授乳中の方は、使用の前に医師などの医療専門家へ相談してください。
CBGは研究が始まったばかりの成分です。今後ヒトを対象とした研究が進むことで、効果と副作用の両面がより明確になっていくと考えられます。海外では医療分野への応用に期待を寄せる報告もありますが、現時点でその評価が定まったとは言えません。
この記事では、現在の研究で分かっていることと分かっていないことを分けて書きました。売る側が自分で扱う成分の限界を並べるのは妙な話に見えるかもしれませんが、あとから「そんな話は聞いていない」となるほうがお互いにとって不幸です。期待される効果だけでなく、データが不足している領域があることも踏まえて判断してください。
参考文献
Appendino G, et al. “Antibacterial cannabinoids from Cannabis sativa: a structure-activity study.” J Nat Prod. 2008;71(8):1427-1430.
Borrelli F, et al. “Beneficial effect of the non-psychotropic plant cannabinoid cannabigerol on experimental inflammatory bowel disease.” Biochem Pharmacol. 2013;85(9):1306-1316.
Valdeolivas S, et al. “Neuroprotective properties of cannabigerol in Huntington’s disease: studies in R6/2 mice and 3-nitropropionate-lesioned mice.” Neurotherapeutics. 2015;12(1):185-199.
Brierley DI, et al. “Cannabigerol is a novel, well-tolerated appetite stimulant in pre-satiated rats.” Psychopharmacology (Berl). 2016;233(19-20):3603-3613.
Russo EB, et al. “Survey of Patients Employing Cannabigerol-Predominant Cannabis Preparations: Perceived Medical Effects, Adverse Events, and Withdrawal Symptoms.” Cannabis Cannabinoid Res. 2022;7(5):706-716.



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