CRDP:CBDを含む新基準対応で注目のベストな原料とは?
目次
CRDPとは何か?

CRDPとは
CRDPは、天然のカンナビノイド成分をもとに合成された高精製ディスティレートで、近年注目を集めている新しいカンナビノイド原料です。日本国内では、CBDやCBNなどの単体カンナビノイドがよく知られていますが、CRDPはそれらを含む複数の成分をカスタムブレンドした液状原料として設計されており、その独自性が際立ちます。
一般的なカンナビノイドは成分の略称を表します。例えばCBDはCannabidiolカンナビジオール、CBGはCannabigerolカンナビゲロールと正式名称を持ちますが「CRDP」が何を表しているのかは公にされていません。しかし、成分そのものは天然のカンナビノイドから生成されていることからCustom Refined Distillate Product(カスタムされた蒸留精製商品)と呼ぶことができるでしょう。この「カスタムされた」という文脈には2024年末の法改正が大きく影響しているため、後ほど詳しくご説明します。
CRDPに含まれる成分は、CBD・CBG・CBNなどの成分がバランスよく調整されているのが特徴です。このような複合ディスティレートは、ユーザーの嗜好や用途に合わせて調整が可能なことから、商品開発の自由度が高いと言えます。また、CRDPは新しいカンナビノイド原料であるため、従来のCBD製品とは異なる体験を提供することも報告されており、“新しい”合法カンナビノイド体験を求める方に向けておすすめの成分と言えます。しかしインターネットで「CRDP」と検索をしても漠然と大まかな概要を記した情報しか存在しておらず、英語検索(english search)をしてみてもその情報は皆無です。一体CRDPとはどのような特徴なのでしょうか。そこでこの記事ではCRDPについてKush JPのプロの調香師が詳しくガイドしていきます。
CRDとCRDPの違いとは?
CRDPと混同されやすい用語にCRD(Crystal Resident Distillate)があります。両者は似た名前を持ちますが、性質には大きな違いがあります。
CRDはその名の通り、結晶化を防ぐことを目的とした非結晶性のディスティレートです。主にCBDやCBG、CBNといった結晶性のカンナビノイドの濃度が高い製品に用いられ、リキッドタンク内で配合されたオイルが固まることを防ぎ、安定した粘度と見た目を保つように設計されています。CRDにもCBD、CBG、CBNといった様々なカンナビノイドが含まれています。
CRDPにもこれら複数のカンナビノイドが配合されており、非結晶性のカンナビノイドである点については同じですが、得られる体験は全く異なります。このCRDPによる体験については後ほど詳しくご説明します。
CRDPの形状と性質:液状でカスタマイズ性の高い原料
CRDPは、ゆるくとろみのある液状の原料として提供されており、その性質が多くの製品に応用される理由のひとつとなっています。従来のアイソレート原料のように結晶化することがなく、安定した状態で保管・加工がしやすいのが特徴です。
この液状の特性により、CBDやCBNなど他のカンナビノイドとのブレンドが容易で、テルペンとの相性も良好。リキッド、ワックス、カートリッジなどさまざまな商品に活用できるため、開発担当者の間でも注目が高まっています。
CRDPはどこで作られているのか?
CRDPに使用されている原料は、アメリカの製造企業によって精製・管理されたものですが、製造ラボについては秘密保持契約により公開できません。アメリカはカンナビノイド原料の品質・安全性において世界的に高い評価を受けており、厳格な製造基準に基づく工程を経て、安定した成分が生産されています。
輸入時には、日本国内の規制をクリアする必要があり、THC含有量などに関しては特に厳密な対応が求められます。そのため、輸入業者や販売元となる会社では原料のデータや検査結果をもとに、法的に問題のない状態での流通を徹底しています。CRDPも例外ではなく、信頼性と安全性の担保に尽力されています。
法改正とCRDP:新基準対応の根拠

CRDPは合法なのか?
CRDPが日本市場に登場した背景には、2024年末に施行された大麻関連法の大幅な改正が深く関係しています。この法改正は、カンナビノイド製品の合法性や利用のあり方を大きく変えるものであり、CRDPのような新たな成分にとっては極めて重要な転換点となりました。
法改正のポイントは以下の3点にまとめられます:
ポイント1:「大麻草から製造された医薬品の施用等を可能とするための規定の整備」
→ 医療用途を前提としたカンナビノイドの一部解禁が進められ、合法的な応用範囲が拡大されました。
ポイント2:「大麻等の施用罪の適用等に係る規定の整備」
→ 適法に所持・使用する者と違法行為者の線引きが明確化され、取扱者への責任がより厳格化されています。
ポイント3:「大麻草の栽培に関する規制の見直しに係る規定の整備」
→ 品種や用途によっては栽培の許可が得られる制度改定が行われました。
この3つの柱の中でも特に重要なのが、THCの基準値の明確化と引き下げです。これにより、CBDやCBNを含む製品であっても、THC含有量が新基準に適合しない場合は違法とされるため、輸入・製造・販売の各段階で細心の注意が求められます。CRDPのように新しい素材を扱う企業にとっては、この基準値を守った製品開発がお客様の信頼を得る鍵となっており、製品設計から販売表記、利用規約の整備まで一貫した対応が求められています。
THC基準値の詳細と製品設計への影響
CRDPを製品に使用する際に最も注意すべきなのが、THCの含有量に関する新基準です。2024年末の法改正によって、製品の形状や用途によって基準値が明確かつ厳格に定められるようになりました。
以下に、用途別のTHC含有許容値の一覧を示します
オイル・油脂・粉末(常温で液体のもの含む):10ppm以下
飲料(水溶液):0.1ppm以下
その他(食品・化粧品など):1ppm以下
CRDP原料そのもののTHC含有量は約1.05ppmです。この新基準に照らし合わせた場合、油脂原料に当たり、10ppm以下のため合法的に通関可能です。しかし、ここで見落とされがちなのが、加工後の製品形状に応じて適用される基準が変化する点です。
たとえば、この原料を単体で使用した100%リキッドであれば、それは「油脂製品」とみなされるため10ppm以下が基準になります。一方で、テルペンや他のカンナビノイドとブレンドして製品化することで「Vapeリキッド」と判断される場合には、「その他」に分類され基準値が1ppmに引き下げられるケースもあります。
したがって、製品設計の段階で想定される最終製品に含まれる成分構成に基づいたTHCの再計算が必須です。CRDPを1mlのリキッド中に50%含有する場合、含まれるTHC量は0.525ppmとなり、1ppm以下であるため合法に該当します。
このような繊細な調整は、製品開発者にとって極めて重要な工程であり、ラベル表記・検査データ・法令ガイドラインの確認など、製造と販売の全工程での連携が欠かせません。ただし、「油脂原料」であるか「ベイプリキッド」であるかという線引きが現状では曖昧であり、リキッド製作企業の中にはベイプリキッドであったとしても基準を10ppmと考えているところも存在していることは事実です。
CRDPは合法?
前述の通り、含まれているTHCの含有量は1.05ppmのため完全に合法です。CRDPは新基準に適合するよう設計されており、合法的に輸入・流通が可能です。また、結晶化しないように設計されており、CBDやCBG、CBNなどのカンナビノイドも含まれています。これらのことから冒頭でお伝えしたように、「様々な成分を含み、日本の新基準値に適応するために作られた製品」であるというCustom Refined Distillate Product(カスタムされた蒸留精製商品)と呼ぶことができます。つまり、CRDPとは成分名の略称というよりは、日本の基準値に適応するために作られた新たな製品であると位置付けることができるでしょう。
CRDP誕生の背景と過去のCRDP
法改正前の2021年6月頃から、HHC(Hexahydrocannabinol ヘキサハイドロカンナビノール)を皮切りにいわゆる「体感系」や「サイコ系」と呼ばれる、現在は規制薬物となっている様々なカンナビノイドが日本には輸入され、合法的に流通していました。当時流行した成分はTHCO、THCP、HHCP、HHCO、THCHなど様々ですが、2022年8月頃、全く同じ名称のCRDPという成分が日本でも広く流通していました。
しかし当時のものと現在のものは全く異なります。2022年頃に流通したCRDPの実態は、非結晶性のCRDと精神作用を伴うHHCPの混合物です。CRDそのものは精神作用はありませんが、「HHCP」とはTHCPと呼ばれるTHCの33倍人が持つ受容体に働きかける強力な精神活性作用を伴う成分の水素化物質です。このことからも当時の成分が持つ効力は容易に想像できるでしょう。
また、当時は規制前であったことから成分に含まれるTHCの含有量も大幅に異なります。そのため、当時のものは現在の法規制に照らし合わせると明らかに違法です。
一方、現在のCRDPに違法性はありません。製造メーカーの話によるとこの原料の誕生には、想像以上の時間と労力が費やされたそうです。その最大の理由は、日本国内で合法とされるTHCの新基準値を満たすための設計と調整にあります。
従来のカンナビノイド製品では、規定値以上のTHCを含むことが多く、新基準(最大10ppm以下)に対応するには原料レベルからの再設計が求められました。特に、複数のカンナビノイド成分をブレンドする原料は、濃度調整や安定性の確保が必要で、開発には長期にわたる成分検証と試作が行われたのです。このように製品を安全かつ合法に届けるために、メーカーは利用者視点の丁寧な商品開発に注力してきたといえるでしょう。
CRDPの体験とまとめ

CRDPは新時代の合法カンナビノイド
CRDPを用いたリキッド製品を吸引した際には、摂取後10〜15分ほどで体感の変化が現れることが報告されています。CRDPの感じ方には個人差がありますが、リラックス感が強く、複数のカンナビノイドが組み合わさることで得られる“じわじわとした感覚が特徴です。
CRDP効果のピーク(TOP)はおよそ30分〜1時間後に訪れます。そのため、初めて使用する際や体感の強さを見極めたい場合は、追加摂取を急がず、時間をおいて様子を見ることが重要です。
また、CRDPの効果は一般的に4〜5時間でゆるやかに抜けていくとされています。CRDP使用中の注意点としては、利用中の体感変化が急激に来ることは少なく、徐々に強くなり一定時間トップをキープして緩やかに抜けていくという特徴を理解し、使用のタイミングを調整することが推奨されます。
まとめ:CRDPは新時代の“合法カンナビノイド”
CRDPは、CBD・CBG・CBNを含む新しいカンナビノイドディスティレートとして登場し、日本の法改正に対応した安心・安全な原料として注目を集めています。CRDPの形状は扱いやすい液状で、製品ごとに自由にカスタマイズできる点が大きな魅力です。
また、CRDPは新しい基準に基づいたTHC管理の徹底により、ユーザーが安心して利用できる商品設計が可能となりました。今後は、CRDP製品に関する情報の充実や、成分の透明化がさらに進むことで、より多くのお客様に信頼される製品となっていくでしょう。
合法性・体感・多様性を兼ね備えたCRDPは、今後のカンナビノイド市場をリードする存在として期待されています。新しい“フリー”な選択肢として、この新原料CRDPにぜひ注目してみてください。
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