THCPOの登場:大麻業界に波を起こす革新的カンナビノイド
目次
はじめに
世界中で爆発的な広がりを見せる大麻産業では様々なカンナビノイドがスポットライトを浴び、消費者のみならず専門家や研究者達の注目を集めています。そんな中、大麻の潜在的な効能について私達が知っていることを再定義しつつある化合物、THCPOというカンナビノイドが市場に現れました。その稀有な構造と強力な特性は、急速に愛好家の間で話題となってきています。
THCPoはよく知られているTHCよりもはるかに優れた効能を持つ可能性があり、この発見は、従来よりも充実した大麻体験への扉を開いたと言えます。大麻の種類について詳しくは「大麻の種類とは?形状、品種、その他薬物とマリファナの違いなどを徹底的に解説」を併せてご覧ください。
疼痛管理からメンタルヘルスのサポートまで、THCPoはさまざまな応用が期待されています。革新的なカンナビノイド製品に対する消費者の需要が高まるにつれ、THCPoが中心的な役割を果たし、カンナビノイドの可能性を最大限引き出せる日もそう遠くはないかもしれません。
この記事では、THCPoというカンナビノイドを掘り下げ、その起源、潜在的な用途、安全性や副作用、規制の可能性まで探っていきます。
THCPoとは何か、他のカンナビノイドとどう違うのか?
THCPoは日本では規制薬物となったテトラヒドロカンナビフォロール、通称THCPのアセチル化物質です。
THCPは2019年にイタリアの研究チームによってFM2という品種の医療大麻から分離されたことで有名で、大麻の多幸感をもたらす精神作用物質として知られるTHCと構造的によく似ています。しかしTHCPの方がカーボンチェーンと呼ばれる側鎖が長いため、体内のエンドカンナビノイド受容体により作用しやすいと言われています。
側鎖が短いTHCとは異なり、初期の研究では、THCPは体内のカンナビノイド受容体に強く結合する可能性があり、その結果、より強い効果が長時間持続すると言われています。
この構造と結合親和性の違いが、THCPを他のカンナビノイドとは異なるものにしており、興味深い研究対象となっているようです。
このTHCPのアセチル化形態がTHCPoです。”反応としてのアセチル化は比較的容易に行える”ため、製造自体は難しくありません。
また、アセチル化によりTHCPはプロドラッグとなるので反応までの時間が長くなる可能性があります。
THCPoの効果とは
THCPoは全く新しい成分であるため、2023年時点ではその研究などは見つけることができません。
THCPoを使用したユーザーによると、THCPoは強烈で長時間続くハイを伴うことが特徴的であると言われています。国外の情報発信者は、「たった5%のTHCPoを含むVapeを吸引しただけで、長時間強いハイが続いた」とレビューしてます。
一般的にTHCPはTHCの30倍の効果と言われ、THCPoは33倍と言われています。中にはハードドラッグを抑えるための代替品として7~10%配合のTHCPo製品を使用しているというコメントも見受けられるように、非常に強力で長い体感が続くことがあります。
大麻産業におけるTHCPoの潜在的利益
私達人間の体にはCB1とCB2という受容体が存在します。そして、体内に入った物質がこれら受容体に何らかの働きかけを行うことで、体の様々な箇所に影響を及ぼします。
CB2という受容体に積極的に働きかける物質は免疫作用などに影響を及ぼすため研究者にとっては魅力的な物質で、CB1という受容体に働きかける物質は精神作用を伴うため、ストナーにとっても魅力的な物質と言えるでしょう。
THCPoの元となるTHCPは分離された際、CP55940という、CB1に強力に働きかける合成カンナビノイドと同等の作用を及ぼすと言われています。なお、この合成カンナビノイドはTHCの45倍の効力を持つ、ファイザー製薬によって1974年に作られたものです。
THCには様々な潜在的利点が見込まれていることから、更に強力に作用するTHCPoは慢性的な痛みに悩まされている方や、炎症を抑えたいと考えている人に適しているかもしれません。ただし、その安全性や有効性は現時点では誰にもわからないため、医療分野への応用の可能性の扉が開かれるのはもう少し先になりそうです。
THCPoを取り巻く法的地位と規制
比較的新しい成分であるTHCPoは、規制薬物の対象外であるため日本においては合法的に摂取可能な成分です。
しかし、将来的に規制対象となる可能性も大いにあるため、国からの規制情報には漏らさず目を通し、私達Kush.jpからも発信を行っています。
THCPoを製品に使用する上での注意点
カンナビノイド事業に携わる企業にとって、THCPoを製品に配合することは、ユニークなセールスポイントを消費者に提供できる可能性を秘めており、革新的な体験を求める消費者を大いに惹きつけることができるかもしれません。
しかし、THCPoの配合は、用量と効能を注意深く考慮し、慎重に行うとが重要であると私達は考えています。なぜならその強力で長時間にわたって効果を発揮する特性は、経験者をも唸らせてしまう可能性があるからです。
そのため、THCPoを含む製品には正確なラベルを貼り、用量と潜在的な効果に関する明確な情報を提供することが極めて重要であると言えます。この新しいカンナビノイドを扱う際には、透明性と責任ある製品開発が鍵となります。
THCPoの潜在的な副作用と安全性
他の新しい化合物と同様に、THCPoの潜在的な副作用と安全性を考慮することは不可欠ですが、現段階では詳しい研究などはありません。
カンナビノイドに対する反応には個人差があります。それは、消費者の過去の経験やその方の代謝、摂取をするタイミングや周囲の環境、その時の消費者の心の持ちようなどで大きく変わります。
THCPoを含む製品を摂取すると、口の渇き、めまい、心拍数の増加、圧倒的な精神的・肉体的経験などを経験する人もいるため、低用量から始め、自分の反応を注意深く観察しながら必要に応じて徐々に増やしていくことが重要です。
安全性への配慮は、THCPoの生産や製造過程にも及びます。最終製品の安全性を保証するために、汚染物質や不純物などは完全に取り除かれていることは必須です。
結論 THCPoの可能性を受け入れた先に
THCPoは革命的なカンナビノイドであり、カンナビノイド産業を変革する可能性を秘めています。そのユニークな構造と強力な特性から、THCPoをめぐる最新の動向は常に把握しておいても損はないかもしれません。
この革命的なカンナビノイドを受け入れ、規制の枠組みの中できちんと働くことで、私達はカンナビノイドが持つ多くの可能性を最大限に引き出し、新しい時代を切り開くことができるのだと考えています。
参考
Cinzia Citti et al. | A novel phytocannabinoid isolated from Cannabis sativa L. with an in vivo cannabimimetic activity higher than Δ9-tetrahydrocannabinol: Δ9-Tetrahydrocannabiphorol | Sci Rep. 2019 Dec 30;9(1):20335.
厚生労働行政推進調査事業費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業)分担研究報告書 | 大麻の実態調査,海外の規制情報の把握(1)-カンナビノイドをはじめとする大麻に特有な成分及びそれらの誘導体を含有する製品についての調査-Wikipedia | CP 55,940
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