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COA(分析証明書)の読み方がわからないと怖い4つの意味とは?

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カンナビノイドおよび製品を検査するための分析証明書(COA)について

 

カンナビノイドとは、麻や大麻草に含まれる植物性化合物で、人体のエンドカンナビノイド系と相互作用して様々な生理学的プロセスに影響を与えます。アメリカでは医療用および娯楽用大麻の合法化に伴い、正確で信頼できるカンナビノイド製品の検査の必要性が重要視されています。日本に輸入される原料や製品も適法性や有害物質の混入有無を調べる必要があり、COAはこれらのプロセスにおいて非常に重要な役割を果たします。

このCOAは、Certificate of Analisysの略称で成分分析証明書と呼ばれ、カンナビノイド原料や製品の安全性、品質、効能、適法性を保証し、内容物に関する詳細な情報を提供するために第三者機関によって発行される公式文書です。この記事ではこのCOAを取得する意義や読み方、検査方法などについて詳しく解説していきます。

 

 

 

検出されるカンナビノイドの例

COAで検査されるカンナビノイドの種類

カンナビノイドとは、大麻植物に含まれる天然化合物で現在までに100種類以上が確認されており、最もよく知られているものが以下の通りです。

 

テトラヒドロカンナビノール(THC)

大麻の使用に伴う「ハイ」の原因となる主な精神作用成分で日本では違法の成分。

 

カンナビジオール(CBD)

抗炎症作用、鎮痛作用、抗不安作用などの治療効果が知られている非精神作用性化合物。

 

カンナビノール(CBN)

THCの分解によって生じる軽度の精神作用性化合物で、睡眠のために用いられることが多い。

 

カンナビゲロール(CBG)

他のカンナビノイドの非精神作用性前駆体であり、潜在的な治療効果が注目されている。

 

これらのカンナビノイドが体内のエンドカンナビノイド系と相互作用することで、様々な効果をもたらす可能性が示唆されています。そのためカンナビノイド製品の正確な検査と情報の表示は使用する消費者の安全を担保し、有効性を確認するために必要不可欠なのです。

 

 

 

分析証明書(COA)はなぜ重要?

COAの重要性

COAにはカンナビノイドの濃度、汚染物質の有無、製品の安全性などが記載されているため製造業者、小売業者、消費者の品質保証のツールとして機能します。

1. 消費者の安全性:農薬、重金属、微生物などの有害な汚染物質が製品に含まれていないことを保証します。

2. 製品の品質保証:カンナビノイドの効能と濃度を確認し、製品に表示されている成分の含有量を満たしていることを保証します。

3. 法律の遵守:最終的なアイソレート・ディスティレート原料や最終製品にTHCなどの違法薬物が混入していないことを保証します。

4. 消費者の信頼:製品の組成と安全性に関して透明性と信頼性を提供することで、消費者の信頼を築くことができます。

逆に、COAが確認できなかったり、読めない場合、製品に農薬や重金属などが含まれており、表示されているカンナビノイドの量よりも含有量が少なく、規制薬物が混入していてもわからないという恐ろしい事態を招いてしまう可能性があるということです。

 

 

 

COAの構成要素

COAの構成要素

カンナビノイド製品の包括的なCOAには、通常以下の項目が含まれます。

 

1. カンナビノイドのプロファイル

カンナビノイド・プロファイルには、製品に含まれる様々なカンナビノイドの濃度が記載されています。このセクションには以下が含まれます。

  • THC(テトラヒドロカンナビノール)の含有量:総THC、Δ9 THC、およびTHCA(テトラヒドロカンナビノール酸)など。
  • CBD(カンナビジオール):総CBD、CBDA(カンナビジオール酸)など。
  • その他のカンナビノイド:CBN(カンナビノール)、CBG(カンナビゲロール)、CBC(カンナビクロメン)など。

濃度は通常、ミリグラム/グラム(mg/g)または製品全体に対するパーセンテージで表されます。また、日本に輸入されるカンナビノイドの場合は規制薬物が混入していないかどうかなどもわかります。このカンナビノイドプロファイルがわかると製品ラベルと実際のカンナビノイドの量に相違が無いかどうかを確認することができます。

 

2. テルペン類のプロファイル

テルペンとは、大麻に含まれる芳香族化合物で、大麻の風味や香りに寄与します。一般的なテルペンには以下のようなものが含まれます。

  • Myrcene(ミルセン):土のような、麝香のような香りと潜在的な鎮静作用で知られています。
  • Limonene(リモネン): 柑橘系の香りをもたらし、気分を高める作用があるとされています。
  • Pinene(ピネン):松のような香りを持ち、抗炎症作用が期待されています。

テルペン・プロファイルには上記以外にも様々なテルペンの濃度が記載され、製品の全体的な感覚に寄与しています。通常これらテルペンプロファイルが表示されているものは、海外の大麻品種のフラワーやナグ(トリミングされた花穂の塊)などのCOAで、日本製のvapeリキッドやハーブ、ワックスなどの最終製品のCOAでテルペンプロファイルの表示がされているものはあまり見かけません。

 

3. 汚染物質分析

このセクションでは、以下のような有害な汚染物質の有無を検査します。

  • 農薬:農業で使用され、摂取すると有毒となる化学物質の有無一覧が表示されます。原料となる麻が育つ土壌に含まれる化学物質などが最終製品に混入していないかどうかが確認できます。
  • 重金属:鉛、ヒ素、水銀、カドミウムなど、高レベルで有害となる可能性のある元素の有無一覧が表示されます。
  • カビなど:製品の安全性を損なう可能性のあるバクテリア、カビ、酵母の有無一覧が表示されます。
  • 残留溶媒:抽出工程で使用され、最終製品から除去されるべき化学物質の有無一覧が表示されます。

 

4. 物理的・化学的特性

このセクションでは以下のような製品の物理的・化学的特性の試験が含まれます。

  • 水分含有量:製品の保存可能期間とカビの発生しやすさに影響する。
  • 水分活性:微生物が増殖する可能性を示す。
  • pHレベル:製品の安定性に影響する。

 

 

 

COA 検査プロセス

COA検査の段階

COAの取得には、サンプルの採取からラボでの分析まで、いくつかの段階があります。以下はそのプロセスの概要です。

 

1. サンプルの収集

製造者は、試験用に製品の代表サンプルを選択します。このサンプルは、汚染や劣化を防ぐために適切に取り扱い、保管する必要があります。そして、このサンプルを摂取した日付などもCOAには記載されています。

 

2. ラボ試験

サンプルは、分析のために認定された第三者機関に送られます。研究所では、カンナビノイド、テルペン、汚染物質の検査に高度な技術と機器を使用します。一般的な方法は以下のとおりです。

  • 高性能液体クロマトグラフィー(HPLC):カンナビノイドの分離と定量に使用される。
  • ガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS):テルペン分析および残留溶媒の検出に使用される。
  • 誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS):重金属の検出に使用される。
  • ポリメラーゼ連鎖反応(PCR):微生物不純物の検出に使用される。

 

3. データ分析

検査機関は検査結果を分析し、データを包括的な報告書にまとめます。この報告書には、カンナビノイドプロファイル、テルペンプロファイル、汚染物質分析、その他の関連情報が含まれます。これらのデータ分析がなされた日付なども記載されます。

 

4. COAの発行

最終的なCOAは製造業者に発行され、製品の組成と安全性の詳細な概要を提供します。このCOAは小売業者が消費者と共有することで、製品の品質を確認することができるようになり、同じく日付が記載されます。

 

 

 

COAの読み方と課題

COA内容

COAはヘッダーとメインとなるパート、フッターの3つに別れています。それぞれで確認するべき箇所は以下の通りです。

 

 

ヘッダー

ヘッダー

ボディー(メインパート)

ボディー1 ボディー2 ボディー3 ボディー4

 

フッター

フッター

 

COAの課題

COAはその重要性にもかかわらず、カンナビノイド製品のCOA試験はいくつかの課題に直面しています。

 

検査基準のばらつき

検査機関によって使用する方法や基準が異なるため、検査結果にばらつきが生じる可能性があります。信頼性と正確性を確保するためには、試験プロトコルの標準化が必要です。

 

サンプルの完全性

検体の採取から分析まで、検体の完全性を維持することは極めて重要です。不適切な取り扱いや保管は、汚染や劣化につながり、最終的な検査結果に影響を与える可能性があります。

 

進化する規制

カンナビノイド製品に対する規制は国内外問わず常に進化しています。日本の事業者たちは海外メーカーの原料に依存していますが、海外のメーカーでさえコンプライアンスを維持することが困難です。コンプライアンスを維持するためには、規制の変化を常に把握することが不可欠です。

 

コスト

第三者機関への包括的な検査は、特に小規模事業者にとってはコストとなる場合があります。信頼性の高い試験サービスへのアクセスは消費者の安全性を担保するためには必要ですが、自社の最終製品を検査にかける企業は国内の業者では少ないと言えるでしょう。

 

 

 

COA検査の将来

COAの未来

海外の大麻産業が成長を続ける中、技術面などでCOA検査は日々進歩し、検査サービスの精度や信頼性、アクセシビリティの向上などが期待されています。以下に昨今の主なトレンドを記します。

 

技術進歩

ブロックチェーンなどの新技術は、COAの透明性とトレーサビリティを強化し、消費者が製品情報にリアルタイムでアクセスできるようにすることができます。

 

標準化への取り組み

試験プロトコルを標準化し、業界全体の基準を確立する取り組みは、COAの一貫性と信頼性を向上させることに寄与することができます。

 

消費者意識の向上

消費者が COA の重要性をよりよく知るにつれて、高品質で試験済みの製品に対する需要が高まると、 業界の慣行や基準の改善を促進することができます。

 

 

 

分析証明書COAのまとめ

COAまとめ

分析証明書(COA)は、カンナビノイド製品の安全性、品質、効能を保証するために不可欠なツールです。製品の組成と安全性に関する詳細な情報を提供することで、COAは製造業者、小売業者、消費者が十分な情報に基づいた意思決定に非常に役に立ちます。興味を持っている製品をウェブ上で検索した際にはCOAに関する情報を必ず確認しましょう。通常カンナビノイド製品を取り扱う業者のサイトにはCOAの一覧が記載されていますので、ウェブ上で確認もしくはダウンロードなどを行ってみても良いでしょう。どこに掲載されているかがわからない時はサイトマップなどで確認するか、表示されている番号などに電話をして確認しても良いと思います。

予期せぬ健康被害にあわないためにも、日本では違法とされている成分が混入していて逮捕起訴とならないためにも、また、製品のラベルに表示されているカンナビノイドの含有量に相違があり、思ったような効果が得られないという経験をしないためにもCOA:Certificate of Analisys(成分分析証明書)の情報を確認することはとても重要なのです。

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