エッセンシャルガイド テルペンとは何か?
目次
はじめに
植物化学の世界から産業分野、化粧品メーカーからベイプ愛好家まで、幅広い層を魅了し続けている「テルペン」という言葉は、人々に時に驚きを与え、時に安らぎを与え、または好奇心を掻き立てる非常に興味深い存在です。
植物の独特なアロマを生み出す主成分テルペンは、自然界や私達の生活において、多くの人が想像する以上に深い役割を担っています。
このガイドでは、テルペンの世界を深く掘り下げると同時に、エンドカンナビノイドシステムとの神秘的なつながりを探り、芳香化合物と生理作用の間の関係性を明らかにしていきたいと思います。
テルペンは単なる香りではない
テルペンとは、様々な植物に含まれる有機化合物で、昆虫にも含まれている成分です。
「有機化合物」と聞くと、私達の生活にあまり馴染みのないもののように聞こえますが、実は私達の身の回りの数多くの製品に使用されているのです。例えば、飲料や食品から、化粧品、塗料、医薬品や洗剤にまでありとあらゆる製品に含まれているため、テルペンを摂った事、香りを嗅いだ事、または触れた事が無い、という方は現代社会ではほぼ皆無と言っても過言ではないでしょう。
花や植物から抽出される芳しいエッセンシャルオイルは、香水や香料などにも使用されていたりします。
松の清涼感やラベンダーの落ち着いた香り、大麻の多様な芳香まで、全てテルペンという化合物によるものなのです。
テルペンの分類
テルペンは、イソプレン単位の数によっれます。
モノテルペン:イソプレン単位を2つ持ちます。これにはミルセン、リモネンやピネン、リナロールなどが含まれます。
セスキテルペン: イソプレン単位を3つ含みます。カリオフィレン、ファルネセンなどがこのタイプです。
ジテルペン、トリテルペン、テトラテルペン: それぞれ4、6、8個のイソプレン単位を含むテルペンです。
自然界におけるテルペンの多面的役割
テルペンは、その芳香的な魅力だけでなく、植物においていくつかの重要な機能を果たしています。
防御機能:多くのテルペンは、草食動物に対する天然の忌避剤として働き、草食動物の捕食者を引き寄せることで、植物の防御機構として機能しています。
植物同士のコミュニケーション:テルペンは植物間のメッセンジャーとして働き、潜在的な脅威や環境の変化を知らせる役割もあると言われています。
成長と発達:一部のテルペンは植物の成長と発達にも影響を与え、開花などのプロセスに関与するのです。
人間が使用するテルペン
香りはテルペンの重要な側面ですが、テルペンの有用性はそれだけにとどまりません。私達人間が使用するテルペンには様々な役割があります。
アロマセラピー:主にテルペンから構成されるエッセンシャルオイルを治療用に使用することで、気分やストレスレベル、さらには身体の健康に影響を与えることができます。
香料:テルペン類は、多くの食品や飲料の風味の特徴に貢献しています。
テルペン類とエンドカンナビノイドシステムの 相乗効果
エンドカンナビノイドシステムは複雑な生理学的システムで、気分、食欲、痛みなどに関与しています。THCやCBDのようなカンナビノイドはこのシステムと直接、または間接的に相互作用する一方で、テルペンはこれらの相互作用を調節し、ある種の作用を強めたり弱めたりすることができます。
例えば、マンゴーや大麻によく含まれるテルペン「ミルセン」は、THCの鎮静作用を高めることができます。そのため、マンゴーを食べてから大麻を摂取するとその鎮静が強まりカウチロックを経験する方もいるようです。
同様に、気分を高揚させる香りを持つリモネンは、ある種の大麻系統の気分を高める特性に寄与している可能性があります。コショウに含まれるβカリオフィレンはCBD同様、大麻に含まれる精神活性作用であるTHCの酩酊効果を軽減する役割があると言われています。これらの相互作用は、しばしばアントラージュ効果と呼ばれ、テルペン類とエンドカンナビノイドシステムとの間の複雑な関係を表しています。
結論
テルペンは自然界に豊富に存在し、私たちの日常生活に多大な影響を及ぼす物質であること
がお分かりいただけたことと思います。その香りや効能は、古くからアロマセラピーや食品の香料としての使用はもちろん、自然の恵みとして私たちの身近に寄り添っています。
テルペンの持つ独特の香りや効能を最大限に活用するためには、その特性や種類を理解し、正しく使用することが重要です。このブログを通し、テルペンの奥深さや魅力を少しでも感じていただけたら幸いです。
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日本テルペン化学株式会社 | テルペンって何?
Justin E. LaVigne et al. | Cannabis sativa terpenes are cannabimimetic and selectively enhance cannabinoid activity | Scientific Reports volume 11, Article number: 8232 (2021)
Ethan B Russo | Taming THC: potential cannabis synergy and phytocannabinoid-terpenoid entourage effects (2011)
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